「木々林々」 -森弘志が描く木のある風景-展
平成23年1月5日(水)-1月25日(火) 10:30-18:30 毎週水曜定休最終日は16時で終了
「さ か」 160×80cm 2枚組かつて、身の回りの雑草が、芽吹いてから冬枯れを迎えるまでの様子を、観察
記録としてスケッチし続けた事があります。特に作品に活かすわけではないものの、基礎教養として知りおいておきたかった、20歳代半ばの出来事です。
十勝の小河川を描いた「水の路」(2007.8.17-9.2)十勝の海岸線を描いた「陸の際、水の果」(2009.9.28-10.13)帯広弘文堂画廊を会場に、2007年より始まった身近な風景を描くシリーズは、今回の「木」、それから近々に行う「山」をテーマにした作品発表をもって終了しますが、これらの時流に逆行するかのような作品制作は、絵画芸術の中に存在する〝忘れてはならない重要な何か〟と向き合う日々をもたらし、かえりみられる事を目的としなかった、雑草と向き合う、かつての毎日を呼び覚ましてくれました。
今回展にあたり、原生林や人工林、街路樹、学校や公園等の施設木、庭木。地域ごとに表情の違う防風林から杉や秋ニレといった希少種といった、低木や園芸種を除く40余種の木を、時間、季節、天候ごとにふるいにかけながら、各所に見てまわりました。結果、小河川や海岸線の時と同様、風景絵画制作の方程式からわずかに外れ、これまで描かれることの無かった場所や、花の季節や見事な紅葉を回避した〝絵にならない可能性が高い〟テーマと数多く向き合う事となりました。
もともと緑色を苦手としており、十数年前の150号組作品「暗闇に知る、水という自分の半分」という人物画まで、全く緑絵具を使わなかった上、枝葉や樹皮などの描写で作業量が多く、それでいて平明に仕上げる事を命題としていたので、難儀な制作の連続でした。観察して視覚情報を読み取る考察し解析する、身の丈描かない事を旨とした今作業は、必ず将来につながる意義深い時間があったものと考えています。
2011年1月4日 森 弘志
